「老後は趣味に時間を使って、のんびりと暮らしたい・・・」

このように考える方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。

総務省統計局公表の「平成28年社会生活基本調査結果」によると、70代の趣味の中で最も人気があるのが園芸(ガーデニング)だそうです。

その他にも読書や映画鑑賞、カラオケ、動植物園、水族館などの見物、演芸・演劇鑑賞が人気となっています。

老後を楽しめる趣味があるのは羨ましいかぎりですが、趣味を楽しめるほど余裕のある老後生活は、現実的になかなか難しいようです。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、老後70代の平均貯蓄額と中央値を見ながら、老後の貯金事情について見ていきたいと思います。

老後の貯蓄事情、70代平均貯蓄額と中央値はいくらか

それでは70代の平均貯蓄額と中央値を見ていきましょう。

この場合の中央値とは、貯蓄額を少ない順に並べた時、全体の真ん中に位置する値(貯蓄額)のことです。

一方、平均値は一部の極端に貯蓄が多い人の貯蓄額に影響されるので、値が大きくなりがちです。

中央値は平均値のように、他の値によって数値が影響されることはありません。

より実態を反映した値といえますので、今回は平均貯蓄額と中央値の両方を見てみたいと思います。

金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」の結果によると、金融資産保有世帯における70代世帯の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

  • 平均貯蓄額:1978万円
  • 中央値:1100万円

一方で、金融資産を保有していない世帯を含む70代の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

  • 平均貯蓄額:1314万円
  • 中央値:460万円

貯蓄額で見てみると、金融資産保有世帯においては、平均貯蓄額、中央値ともに1000万円以上の金融資産を持っていることがわかります。

一方で、金融資産を保有していない世帯を含む70代の中央値は460万円です。金融資産を保有している世帯と保有していない世帯では大きな差があることがわかります。