大多数が「60歳以降も働く」
PGF生命の調査の中には、還暦を迎えたら現役を引退したいと考える人が13.3%に対し、60歳以降も仕事を続けたいと考えているは86.8%という結果もありました。
人生100年時代においては、還暦後も働くことが主流になってくるかもしれません。別の側面から見れば、定年退職後も働かないと金銭面が不安ということもあるでしょう。
老後の資金計画がうまく進まないまま還暦を迎えてしまった人も、現役で働き続けることでリカバリーを図れるともいえます。ただし、住宅ローンを抱えている場合注意が必要です。
住宅ローンの返済計画を見直す必要も
歴史的な低金利で、マイホームを購入しやすい環境だと考える人も少なくないようです。しかし、35歳で35年ローンを組むと、完済するのは70歳。上記のように60歳以降も働き続けるという人も増えていますが、60歳以降はそれまでより給料が下がることがほとんどです。
そうなると毎月の返済が厳しくなる可能性がありますから、定年を迎える60歳までに繰り上げ返済などを利用して、可能な範囲でローンを減らしておくことが肝要です。
また、退職金でローンの残りを返済するつもりの人も、退職金に手を付けずになるべく老後資金として残せるように、現役で働いている間に前倒しで返済していけると安心でしょう。
おわりに
今どきの還暦人の懐事情は、しっかり計画的に貯めている人と、なかなか思う通りには貯められなかった人とに分かれているようです。計画的に老後資金を準備するのが理想ではあるものの、コロナ禍の現在のような局面では、臨機応変に対応せざるを得ないこともあります。少しでも長く現役で働けるように、改めて健康を意識した生活を送りたいものです。
参考資料
「2020年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)
中野 令子