平均額は3,078万円ですが、2,000万円未満の人の割合が64.8%という数字の方が、より現実感があるのではないでしょうか。老後を目前に控えている還暦人の厳しいフトコロ事情がうかがえる結果になっています。

なお、昨年の調査結果と比べてみると、平均額は2019年2,956万円→2020年3,078万円と、122万円の上昇となりました。2,000万円以上の割合も32.9%→35.2%合計に増加しています。これは、コロナ禍でお金に対する不安が増えたことが要因の1つかもしれません。

貯蓄額100万円未満の約3割がおひとりさま世帯

貯蓄額が「100万円未満」という回答を世帯構成別※で見てみると、おひとりさま世帯が30.3%と他の世帯と比べて群を抜いています(図表2参照)。

その他の世帯は、「子どもと同居世帯」19.8%、「夫婦2人世帯」17.3%、「子育て期世帯」16.7%ですので、おひとりさまの老後はなかなか厳しいといえる結果になっています。

図表2:現段階の貯蓄金額「100万円未満」の世帯構成別比率

出所:PGF生命「2020年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」

※世帯構成の分類は以下の通り。
「おひとりさま世帯」:子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいない層
「夫婦2人世帯」:子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいる層
「子育て期世帯」:未成年、または就業していない20代の子どもがいる層
「子どもと同居世帯」:就業している20代、または30歳以上の子どもと同居をしている層