2017年11月期から2019年11月期までの3カ年の業績をみると、売上高が853.6億円⇒846.4億円⇒791.1億円と推移し、利益面では営業利益78.2億円⇒62.5億円⇒54.4億円、当期純利益が53.4億円⇒44.3億円⇒40.8億円と減収減益が続いています。

国内で爆買いがなくなったことに加え、米中貿易摩擦による経済の悪化で中国での売上げが減少したのをはじめ、海外全般で売上高が減少しました。宣伝広告費を積極的に投じた年もありましたが、販管費の上昇に見合った業績への貢献はなかったようです。

コロナ禍の中、健闘するも減収減益に

直近の2020年11月期は、当初、増収減益を見込んでいましたが、結果は売上高749.5億円(前年比5.3%減)、営業利益54.4億円(0.1%減)、当期純利益39.4億円(4.3%減)。コロナによる巣ごもり需要で「調理家電」「生活家電」カテゴリーの売上げは伸びましたが、外出控えによるステンレスボトル、保温保冷ジャーなどの大幅な売上げ減少が響きました。

次に、こうした業績を背景に株価がどう動いたかを見てみましょう。

2014年の年末に700円台だった株価は、爆買いにより“インバウンド銘柄”として注目を浴び、翌2015年4月には1600円を突破し倍以上の水準に。

その後は1000〜1500円台を上下し、2020年1月には大株主の中国企業の動きに関連して2400円台まで急騰しましたが、株主提案の否決によって期待が剥落し急落。3月にはコロナの影響で1300円台まで下げましたが、その後は回復基調となり、2021年1月下旬現在で1700円台を推移しています。

象印マホービンの過去10年の株価推移