コロナ対策で「ステイホーム」が重要視される昨今ですが、仕事をリタイアした後の老後生活は毎日がステイホーム!
そうなると、どんな家で老後を過ごすのか、いわゆる「終の棲家(ついのすみか)」の選び方が非常に重要になってきます。

「持家派vs賃貸派どちらがお得?」といった比較記事を見かけますが、老後の生活というポイントで選ぶとどちらが良いのでしょうか?

今回はシニア目線から見た持家派・賃貸派それぞれのメリット・デメリットと、トータルでかかるお金を計算し、この問題を考えてまいります。

【持家派】老後のメリット・デメリット

まずは持家で老後を過ごすメリット・デメリットを考えてみます。

持家派のメリットは、なんといっても安心して老後を過ごすことができるという点です。

老後収入がなくなっても住む場所は確保される

持家の場合、住宅ローン完済後は住居費の負担が一気に軽くなります。
毎年かかるランニングコストは固定資産税・都市計画税くらいで済むため、仕事をリタイアして年金生活になっていても、自宅を維持できずに途方に暮れるという心配がありません。

介護リフォームや建て替えができる

費用はかかりますが、持家であればリフォームや建て替えをすることができます。
手すりや車いす用のスロープを設けるという介護リフォームから、建て替えてホームエレベーターを設置するといった大がかりなものまで自由自在です。

最大のメリットは「資産」として活用できること

持家の最大のメリットは、売却して現金化するなど、資産として活用することができるという点です。

自宅を売却して有料老人ホームなどの高齢者施設への入居一時金に充てることもできますし、施設入居後自宅を賃貸して家賃収入を得ることも可能です。

また自宅を担保にして金融機関から融資を受けるリバースモーゲージを活用すれば、自宅に住み続けながら年金にプラスした生活資金を借り受けることもできます。

老後生活には年金収入のほかに2,000万円程度の資金が必要という問題も、自宅を資産として活かせばクリアできる可能性が高まるのです。

持家派のデメリットは「修繕費などのランニングコスト」がかかる点

持家のデメリットは、経年劣化で生じた故障箇所を直したり、給湯機器やエアコンなどの設備を交換するためのランニングコストがかかることです。

またマンションの場合は修繕積立金や管理費、駐車場代なども別途かかります。ただこれらについては、賃貸派の方が毎月家賃を払い続けることに比べれば金額的に少なくて済みます。

総じて持家派の老後デメリットは小さいといえるでしょう。