高校入試シーズンも本番を迎えました。
本格的なコロナ禍で迎えた初めての冬、受験生のいらっしゃるご家庭では、体調管理には例年以上に気を配られていることでしょう。長期化する感染拡大への不安も相まって、進学費用面についての心配を抱える保護者の方も多くいらっしゃることと思います。
今日は、国の「高等学校等就学支援金制度」について、おさらいしていきます。旧制度をさらに充実させて支援が手厚くなっていますが、所得制限がある制度です。ご自身の世帯が支援対象となるかどうかも確認してみましょう。
旧制度とはどこがちがう?
2020年4月、旧制度を拡充させる形でスタートした「高等学校等就学支援金制度」では、私立高校授業料の実質無償化が実現しています。既に高校2年生以上のお子さんがいる方は、旧制度との違いが知りたいかもしれませんね。
シンプルにいうと、「所得制限を設けた代わりに、支援を必要とする所得層へ給付額を増やした」というイメージ、とお考えいただければよいかと思います。
「高等学校等就学支援金制度」とは
国の「高等学校等就学支援金」は、高校などの就学費用のうち「授業料」の部分を、世帯所得に応じて支援しています。ここからは文部科学省の資料をもとに、その概要をながめていきます。
「高等学校等就学支援金制度」(2020年4月~)の概要
- 内容:国が行う授業料支援の制度。8割の生徒が利用
- 対象となる学校種:高等学校、特別支援学校(高等部)、高等専門学校(1~3年生)など
- 対象世帯:モデル世帯で年収約910万円未満世帯の生徒
- 申込先:学校。入学後に各学校から案内がある
旧制度ですでに「国立・公立」は実質無償
新制度の目玉は「私立高校授業料の実質無償化」という部分なのですが、旧制度では国公立の学校についてはすでに実質無償化が実現できていました。そもそも、高校の授業料はどのくらいなのでしょうか。下記でみてきいます。
私立高校の授業料はどのくらいか
文部科学省資料(※1)によると、私立高校(全日制)の平均就学費用は、入学料:16万3,218円、授業料:43万3,991円、施設設備費等:15万1,715円となっています。
(※1)参考:文部科学省「令和2年(2020年)度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について」「私立高等学校等の初年度生徒等納付金平均額(年額)」
公立高校の授業料はどのくらいか
公立高校の授業料については、東京都の例をみていきます。東京都教育委員会資料(※2)、都立高校(全日制)の入学料は5,650円、授業料11万8,800円。
(その他学校徴収金などは、学校によって異なります)
(※2)東京都教育委員会ホームページ「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」