次に民間の退職金を見てみましょう。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況(一時金・年金)の支給実態」より、学歴別で退職者1人平均退職給付額を見てみましょう。
大学・大学院卒
- 定年:1983万円
- 会社都合:2156万円
- 自己都合:1519万円
- 早期優遇:2326万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 定年:1618万円
- 会社都合:1969万円
- 自己都合:1079万円
- 早期優遇:2094万円
高校卒(現業職)
- 定年:1159万円
- 会社都合:1118万円
- 自己都合:686万円
- 早期優遇:1459万円
次に、上記と同じ厚生労働省の調査による、勤続年数別の定年退職金額についても見ていきます。
大学・大学院卒
- 勤続20年~24年:1267万円
- 25年~29年:1395万円
- 30年~34年:1794万円
- 35年以上:2173万円
高校卒(管理・事務・技術職)
- 勤続20年~24年:525万円
- 25年~29年:745万円
- 30年~34年:928万円
- 35年以上:1954万円
高校卒(現業職)
- 勤続20年~24年:421万円
- 25年~29年:610万円
- 30年~34年:814万円
- 35年以上:1629万円
民間の退職金は早期優遇制度や会社都合など、会社から割増の退職金が受け取れる場合を除くと、概ね1000万弱から1000万円台が多いようです。2000万円を超えるのは、大学・大学院卒で35年以上勤務したケースのみです。
学歴によっても差があります。35年以上働いたとしても、高卒(現業職)と大卒の人の支給額の差は約500万円もあります。
一方、国家公務員ですが、退職事由が定年や早期退職で、2000万円以上の退職金が支給されているのは全体の半分以上です。
地方公務員に関しても、60歳以上の定年退職者への支給額は、概ね2000万円以上でした。公務員であれば国家公務員、地方公務員ともに、2000万円以上の退職金が支給されると見て良さそうです。
民間企業の退職金は、実は年々減り続けています。下記は大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者1人あたりの平均退職給付額の推移です。
定年退職者1人平均退職給付額の推移 大学・大学院卒(管理・事務・技術職)
- 平成15年:2499万円
- 平成20年:2280万円
- 平成25年:1941万円
- 平成30年:1983万円
これを見るとわかるように、平成15年から平成30年までで516万円減少していることがわかります。
ただし、公務員の退職金は官民均衡を図るため、民間企業の企業年金及び退職金の実態調査を踏まえて5年ごとに見直しが行われています。現状ですと民間の支給額は減少していますから、公務員の退職金も減るかもしれません。