なりたい職業で常に上位にランクインする公務員。コロナ禍の最中ではありますが、その人気はいつの時代も不動です。人は「安定」を望みますから、その安定を体現しているのがまさに公務員なのでしょう。
一方、バッシングの的になりやすいのも公務員です。民間と公務員の給料格差は、ボーナスが支給される度に民間との比較対象にされます。今回のコロナ禍でもそうでしたが、政治家の給料やボーナスも話題になりました。
私は新卒から大手証券会社、不動産投資会社と、経済に密接に関わる業界で10年以上仕事をしてきました。その経験をもとに、今回は公務員と民間の格差、給与事情についてお話ししたいと思います。
国家公務員と地方公務員とは
令和2年10月に人事院が公表した「国家公務員給与の実態」によると、現在の公務員の数は国家公務員が約58.6万人、地方公務員が約274.4万人となっています。
国家公務員は立法、司法、行政という政府の根幹を支える国の機関で主に業務を行い、地方公務員は採用された地域に密着した行政サービズを主な業務としています。
公務員の平均退職金
それでは公務員の退職金について見ていきましょう。まずは国家公務員から確認します。
国家公務員と言っても、さまざまな職種があります。
ここでは国家公務員の中でも、一般行政事務職員等である行政職俸給表(一)適用者で、35年以上勤務した場合の退職事由ごとの金額を見ていきます。
行政職俸給表(一)適用者で勤続年数が35~39年の場合
平均支給額・・・2210万1000円
〈内訳〉
- 定年で退職・・・2193万8000円(平均支給額)
- 応募認定・・・2330万9000円(平均支給額)
- 自己都合・・・1883万5000円(平均支給額)
- その他・・・2143万3000円(平均支給額)
行政職俸給表(一)適用者で勤続年数が40年以上の場合
平均支給額・・・2173万9000円
〈内訳〉
- 定年で退職・・・2153万6000円(平均支給額)
- 応募認定・・・2357万1000円(平均支給額)
- 自己都合・・・2046万6000円(平均支給額)
- その他・・・2230万6000円(平均支給額)
このように、行政職俸給表(一)適用者であれば、大体の人は2000万円以上もらえることが分かります。
次に地方公務員を見てみましょう。
総務省が発表した「給与・定員等の調査結果等」より、「60歳定年退職者の平均支給額」を単純平均し比較して見ていきます。
都道府県(47団体)
- 全職種・・・2213万6000円
- 一般職員・・・2159万8000円
- 一般職員のうち一般行政職・・・2181万4000円
- 教育公務員・・・2240万5000円
- 警察職・・2192万1000円
指定都市(20団体)
- 全職種・・・2160万7000円
- 一般職員・・・2105万2000円
- 一般職員のうち一般行政職・・・2213万8000円
- 教育公務員・・・2234万5000円
地方公務員も退職金としては大体2000万円以上もらえるといえそうです。