中学受験を決めた2つの家庭

ドキュメント中学受験その1:M家

M家は3人男兄弟、今年次男が中学受験です。完全に父親主導で、家族総力戦で中学受験に挑みます。私立中学の志望理由は、M家の父親曰く「地元の中学が冴えないから」とのこと。彼はベンチャー企業のオーナー社長で、取引先も経営者が多く、お互いにプライベートの話もよくします。その中で同年代の子供がいる取引先とは中学受験の話もしばしば出ます。「子供にはいい環境で勉強をさせてあげたい」という気持ちもありますが、取引先と話の流れや住んでいる場所柄も中学受験を決めた大事な要素だったかもしれません。

ドキュメント中学受験その2:H家

H家は2人男女兄弟で、去年長男が中学受験をしました。H家はM家とは正反対で、教育に関して父親は完全に母親任せです。お金は出すけれど手は一切貸さず、相談相手にならないと母親は嘆きます。長男の中学受験の際、通っている塾は成績順で席が決まるため、塾の勉強が遅れないように家庭教師も付けました。住んでいる場所が中学受験率の高い土地柄ということもあり、周りに流された感じも否めません。入学後も寄付金や部活の活動費で出費がかさみ続け、青息吐息だそうです。

高校大学まで見すえた資金計画を

「二月の勝者」という中学受験の漫画の中に「君たちが合格できたのは、父親の『経済力』と、そして『母親の狂気』」というくだりがあります。中学受験は、親子の二人三脚で挑む受験です。モチベーションの維持も大事ですが、資金が続くかどうか?もとても大事な要素です。中学に入学後も学費も掛かりますし、学校での授業についていくために塾に通うというケースもあるようです。外部の大学受験となるとまたそこで塾代等が重くのしかかり、大学入学後も学費の支払いも続きます。

学費や塾代以外の費用もばかになりません。例えば、大学の受験費用(受験料、受験のための交通費・宿泊費)を見てみましょう。日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」(64歳以下の男女、かつ、高校生以上の子供を持つ保護者4,700人にインターネットでアンケート、令和2年9月実施)によると平均で32.5万円です。

子供が学校を卒業するまで掛かるお金をシミュレーションすると「そんなにかかるのか」と驚くかもしれません。中学受験費用も含め年の初めに夫婦でその事実を共有すると共通の目的が出来ていいかもしれませんね。

参考

堀田 馨