夫婦2人での在宅勤務も快適だった居住空間

郊外の新興住宅地に買った家に家族で住んで、都心に通勤する。こうしたライフスタイルは昭和時代にはごく普通だったものでしょう。それから平成、令和となり、都内のマンションに住み続ける世帯も増えています。

しかし、住み始めてから実感した郊外の快適さは、コロナ禍になってさらに強く感じられるようになりました。第一の理由は、前回の緊急事態宣言下における夫婦2人での在宅勤務です。約2か月間、それぞれが別の部屋で在宅勤務ができたことで息苦しさがまったくなく、仕事の効率にも夫婦仲にもプラスに働きました。

また、緊急事態宣言下では子どもも保育園に行けない状況でしたが、筆者が約20畳のリビングダイニングで子どものそばにいながら仕事をこなすことでなんとか凌ぐことができたのです。この環境は都心ではなかなか実現できないもの。こうして夫婦揃って在宅勤務を経験し、郊外に住むメリットを痛感することになりました。

車があり、自然豊かな場所で子どもが育つ安心感

また、郊外に住むファミリー世帯にとって必需品となるのが車です。車を持っていることも、公共機関になるべく乗らない生活ができるのでコロナ禍における感染の不安を抑えてくれています。それだけでなく、現在も外出の機会を減らすため、食料品や日用品のまとめ買いするのも自家用車があるから可能になっています。

そして郊外に住んで最もよかったと感じたのは、やはり子どもの育つ環境でした。先日、2歳の子どもが虫の図鑑を見ながら「このカメムシはこの間、公園で見たね。色が変わるんだよ」と言ってきた時にはとても驚きました。

筆者が住んでいる地域はかつて本当に何もなかった場所で、山を切り崩して住宅街を作っている最中の場所。新しい家が立ち並んではいるものの、子どもは草花や虫など東京では触れることが難しい四季折々の自然の中で日々新しいことを学びながら育っているのでしょう。

筆者自身が東北の田舎育ちのため、こうした子どもがすくすくと育つ自然環境はやはりお金には代えられないものだと改めて感じたのでした。