1月6日午後、首都ワシントンにある連邦議会で大統領選の選挙人投票集計が行われている際、大勢のトランプ支持者たちが議事堂内に乱入し、治安当局との衝突に発展した。
衝突は激しいものとなり、これまでに5人が死亡、60人以上が逮捕され、米国の民主主義を根本的に脅かす事態となった。
米議会に乱入したトランプ支持者には陰謀論信望者も
選挙の不正を訴えてきたトランプ大統領は同日の午前、議事堂前に集結していたトランプ支持者に対し、秋の選挙の不正を訴え、抗議デモを続けるようツイッターに投稿していた。
今回乱入したトランプ支持者たちは、白人至上主義者や反政府主義者、陰謀論「Qアノン」の信奉者、民兵組織のメンバーなどである。
この事件は、依然としてトランプ大統領が支持者たちに対して強い求心力を持っていることを改めて示すこととなった。実際、大統領選では敗北したトランプ大統領だが、2016年の大統領選勝利からは1000万票以上も支持を増やしている。
また、米国の政治専門メディア「ポリティコ(Politico)」が2020年11月下旬に公表した調査結果「2024年の米大統領選挙における共和党候補は誰が良いか」によると、トランプ氏は最も高い53パーセントの圧倒的支持を集めた。
トランプ大統領は7日、ツイッター上に動画を公開し、「新政権が発足するので今は政権移行に向け動いている」と敗北を認める認識を示した。だが、これによってトランプ支持派を中心とする極右勢力の過激な行動がすぐに収まるとは限らない。