2) 無意識の出費や「なんとなく」の買い物が多い人

Bさんも、夫婦ともに正社員勤務で世帯年収1000万円を達成しているひとりしかし、彼もまた「貯蓄がない。贅沢をしているつもりはないのに、手元に貯めるだけの余裕がない。若い頃は、1000万円もあれば、さぞかし余裕のある暮らしができると想像していたのに。」と嘆きます。

「でもね、先日ようやく原因らしきことが分かったんですよ。」と続けるBさん。保険の相談をした際に、担当したファイナンシャルプランナーに相談してみたところ、「無意識の出費や、なんとなくの買い物が多いのでは?」と指摘されたそうなのです。

「例えば、妻は営業職なのですが、毎月1~3万円の洋服や靴をネットショッピングするんです。時にはレジャーを兼ねてアウトレットに行き、ブランド物のバッグを買うこともあります。一方、僕には、そういったものは必要ありませんが、仕事ばかりでは、運動不足になるとあって、定期的にジムに通っています。週1回行けるか行けないかといったところですが、行ける時にはいつでも行きたいので、少し高めの毎日いつでも通えるプランを契約しています。これは、仕事をするための必要経費だと、夫婦でお互い割り切っていたのですが、ファイナンシャルプランナー曰く、『そういう出費が重なることで、手元のお金が減っていく』なのだそうで…。

たしかにそうですよね。必要経費とはいえ、お金を払うのは自分。どうしてもかかるお金なのであれば、他で締めるということをしていかないと、貯まるわけがありません。」

反省したBさんは、妻と「他にもそういったお金の使い方をしていないか」と話し合い、「多少割高だけど、いつも買っているからこのお店で、と買い物をしている」「子どもの勉強のためには必要経費、と勧められるままに教材を買っていることが多い」など、家計において見直すべき点をたくさん見つけたそう。

やはり、頭でしっかり考えてモノを買うことが重要ということなのかもしれませんね。

おわりに

「年収1000万円ぐらいが一番苦しいゾーン」と言われることもありますが、貯蓄額平均をみると、「それでも、貯めることができる人は貯めている」ことがわかります。「苦しいゾーンなのだから、出ていくものが多くて、高所得貧乏になっても仕方がない。」と考えるのではなく、まずは日常の小さな習慣ひとつひとつを見直すことで、無駄遣いを減らし、貯まる家計に変えていくことはできるのではないでしょうか。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

参考

LIMO編集部