「感情のクッション」を作る-感情を受け入れるからこそ自己肯定感がアップする

「自分を大切にする」イライラ対処法

幼稚園でやっている「イライラシール」には実はもう少し続きがあって、子どもが自分でイライラシールをペタっと貼ると、先生は「じゃあ、どうしようか?」と問いかけます。子どもたちは自分がイライラしたとき「次に、何をするのか」をあらかじめ決めていて、たとえばヨガの部屋へ行って、気持ちが落ち着くような呼吸法をやったりします。収まったら「イライラシール」を剝がして、今度は「ニコニコシール」をペタっと貼ります。

これを3歳や4歳の子どもたちがやっているのですから驚きですが、そういう習慣をつけていけば、誰でも簡単にできることです。このやり方の素晴らしいところは、子どもが自分の感情を否定せずに受け入れ、どうすればいいか、と問題解決したことです。そこで感じる達成感と自分への労りは、確実に自己肯定感を育みます。

大人も一緒です。ではイライラしたとき、私たちは何をするべきか。対処法として「感情のクッション」になるような自分を救済する方法をあらかじめ決めておくのはとても有効です。幼稚園の子どもがやっていたようにヨガをやったり、呼吸法で気持ちを落ち着かせるというのもいいでしょう。それらは私もやっていますが、そういう種類のものだけでなく「一番高級なチョコレートを食べる」というのは私にとって「自分を救済する大事な方法」の一つ。

そもそもイライラしてしまうのは「自分がダメ」なのではなくて、むしろがんばりすぎている状態だから。がんばりすぎて、心の余裕がなくなっているのです。そんなときに必要なのは、自分を責めることではありません。がんばっている自分にご褒美をあげなきゃいけません。だから私はイライラしたらシールをペタっと貼って「これからママは、がんばってる自分にご褒美をあげるの」と言って、一番高級なチョコレートを食べます。

冷静になってみると、そういうやりとりってちょっと滑稽ですよね。でも、実はとても重要なのです。イライラや落ち込みなどの感情は、どうしても深刻になりがちです。だからこそ、ユーモアを私は大切にしています。「ママはイライラしているの。だから、これからママは自分にご褒美をあげるの」と言って最高級のチョコレートを食べるなんて、ちょっと笑えるじゃないですか。

そうした「感情のクッション」が大事なのです。アンガーマネジメントでも、よく「6秒ルール」が紹介されています。怒りが湧き起こってきたら6秒数える。その時間的クッションによって、怒りが収まってくるというアプローチですが、これも効果的な方法です。6秒数えているうちに「怒り」という感情から「6秒数える」という行為に意識が向いて、その時点で気持ちの整理がつき始めるからです。

イライラシールをペタッと貼って、自分を救済する方法をやっていれば、その時点で「怒りの感情」は少し整理がつき始めています。ユーモアもありながら、イライラを溜め込まないとてもいい方法なので、ぜひ試してみてください。

『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』ボーク重子(著)(文藝春秋)(画像をクリックすると文藝春秋BOOKSのページにジャンプします)

『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』
出版社 : 文藝春秋
発売日 : 2020/12/11
単行本 : 240ページ

【ボーク重子*著者プロフィール】

ICF(国際コーチング連盟)会員ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC 代表。ワシントンDC在住。英国で現代美術史の修士号を取得後、1998年渡米、出産。2004年にアジア現代アートギャラリーをオープン、2年後にトップギャラリーの仲間入りを果たしワシントニアン誌上でオバマ前大統領(当時上院議員)と共に「ワシントンの美しい25人」として紹介される。娘スカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝。
現在は日米での講演会に加え「ボーク重子の非認知能力を育む子育てコーチング」を主宰。著書に『心の強い幸せな子になる0 ~10歳の家庭教育「非認知能力」の育て方』(小学館)『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)等。
HP:Shigeko Bork Instagram:@shigekobork

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