週休3日制と副業・兼業の促進
最後に「週休3日制」と「副業・兼業促進」を取り上げます。経団連の「オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」でも、さまざまな勤務形態の一環として週休3日制を取り上げています(2020年5月)。
10月には、みずほフィナンシャルグループが希望社員を対象に、週休3~4日制導入のニュースが報じられました。実際には週休3日制を実施する企業も、コロナ禍の緊急対応や今後の労働市場を見据えての導入など、その背景はさまざまです。
また、この週休3日制の議論とあわせて、副業・兼業を促進する動向の加速も重要なポイントだと考えられます。2018年には厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しています。
「終身雇用はもう守れない」と経団連の中西会長が発言したのが2019年。日本でも本格的な労働市場の流動化が目前に迫り、その流れをコロナ禍がさらに加速させるのではないかとも考えられます。
最新の調査では、転職希望者のうち、8割強が副業に前向きというデータもでています。たとえば将来的には、副業や兼業をステップにして転職する、そんなキャリアパスも生れてくるかもしれません。厳しい雇用情勢のなかで加速する転職志向。2021年、あなたはどうしますか。
参考資料
- 「年収800万円以上 正社員の新型コロナ禍における転職のきっかけ調査」(エンワールド・ジャパン株式会社)
- 「ウィズコロナ時代の転職意識調査」(株式会社 日経HR)
榎本 洋