老後に備え、今から準備を
公益財団法人生命保険文化センターが実施した「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人が老後を過ごすにあたり、必要とされる最低日常生活費は平均22.1万円だというデータが出ています。さらに、Aさん夫婦のような“余裕のある生活”を送ろうとすると、さらにここにプラス14万円ほど必要であるそうです。もちろん、共働きで厚生年金がしっかり受給できる夫婦は安心して老後を迎えられるかもしれませんが、そうではない場合早めから自分で老後資金の準備をする必要があります。
例えば、現在国には「自分で年金を作る」ことができる制度としてiDeCoという制度があります。毎月の掛け金を運用しながら年金を貯めていき、60歳以上かつ加入期間が10年以上の条件を満たせば給付金として受け取ることができるのですが、iDeCoの良いところはさまざまな面で節税対策になるということです。
例えば運用益に対して税金がかからず、また給付金受取りの際にも税制優遇が受けられます。さらには、掛け金が全額所得控除の対象になるということも普通預金にはないiDeCoの大きなメリットといえるでしょう。会社員などで毎年多くの所得税を支払っている人にとっては、それだけでもやる価値のある制度といえます。
今後少子高齢化が更に加速すると、公的年金の受給額が大幅に減ってしまうという事態も容易に想定できます。万が一そうなってしまったとしても、しっかりと生活ができる環境を私たちは自らの手で作っていく必要があるのです。必要最低限であってもお金がないと、せっかくの老後も楽しいものにはなりません。
Aさん夫婦のように日々の生活を楽しめる老後を目指し、まずは自身が老後どのくらいの年金を受給できるのかをしっかりと把握すること、そして少し足りないかもしれないと感じたら、早い段階から老後に備えてしっかりと準備を始めていくことが大切なのです。
【参照】
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」
公益財団法人生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
多田 秋