このように、個人であれ社会であれ「普通」は何度も変わりゆくもの。そしてずっと普通が続く人もいれば、思わぬことで普通から外れることも珍しくありません。それはコロナ禍を見てもわかるでしょう。生きている限り変化を避けることはできないため、私たちは「普通」が変わることに慣れる必要があるともいえるのではないでしょうか。

「普通」は自分で変えることもできる

普通は自分次第で変えることもできます。たとえば、「シャンプーはサロンで購入した2000円のものが普通」だった独身時代から、結婚して「家族共有で500円が普通」の生活に変えていくように。

また、シングルマザーになった筆者の場合、以前はポイントの活用やメルカリなどのフリマアプリ、中古店、副業、少額からの投資などは「普通」ではありませんでした。今はそれら駆使することでお得に感じたり、利益を得る方法をさらに模索することが「普通」になってきています。

結婚・出産すると、金銭感覚も、生活も、働き方も、時間の使い方も、すべてが変わります。そして離婚してからも、また生活は変わっていきます。ただ、大変なのは変わる前後。人間ですから、しばらくは前の生活を懐かしんだり、比較してしまうこともあるでしょう。

そういった心のザワザワにも次第に慣れ、「自分にとっての普通」が変化し、それがマイペースとなって暮らすようになります。ただ、子育てをするうえでは、ニュースなどを見ることで「世間の普通」を知っておくことも大切だと感じています。

個人的には、シングルマザーになってからの「普通」の変化より、独身時代と1人目出産後での変化の方が大きいと感じました。あの経験があったからこそ、その後の「普通」の変化にも対応できるようになったように思います。

【参考資料】「東京都最低生計費試算調査結果」(東京地方労働組合評議会)

西谷 都