2024年にNISA制度が拡充され、年齢に関係なく投資を始める方が増えています。効率よく資産形成を進めるうえで、投資は有効な手段です。
しかし、投資を始める前に「絶対にやるべきこと」があります。大切な資産を失わないためにも、具体的にどのような準備が必要なのかを知っておきましょう。
1. 投資する前にやっておきたい4つの準備|初心者こそ要チェック!
投資にはリスクが伴うため、「資産を失う可能性がある」という前提を理解する必要があります。
具体的に、投資を始める前に行うべきことを見ていきましょう。
1.1 まずは「生活費の半年分」を現金で確保しておこう
投資を始める前に、まず「生活防衛資金」を貯めましょう。最低でも半年分の生活費を貯金し、何があっても半年間は普通に生活できるお金は用意しておくべきです。
半年分の生活費を用意すべき理由は、収入が減ったり職を失ったりする事態は、いつ起こるかわからないためです。貯金がない状態で職を失ってしまうと、借金に頼らざるを得ません。
たとえば、月の生活費が20万円の方なら、「20万円×6ヶ月=120万円」を最低でも貯めます。この120万円は「絶対に手を付けない緊急用のお金」として取っておき、120万円を超える部分を投資に回しましょう。
生活防衛資金があると「投資で損をしても生活には困らない」という安心感が生まれます。損失が発生したときに慌てて売却してしまう事態を防ぎ、冷静かつ長期的な資産形成を実践するためにも、生活防衛資金は必須です。
1.2 投資商品の“利回りの目安”をざっくり知っておく
投資を始める前に、各金融商品の「だいたいどのくらいの利回りが期待できるのか」を知っておきましょう。相場を知っておくことで、詐欺の被害を受けるリスクを軽減できます。
投資には必ずリスクが伴い、リターンとリスクは比例します。「ローリスク・ハイリターン」という商品はあり得ません。
たとえば、私たちが納めた保険料の一部を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)では、代表的な金融商品ごとのリターンを以下のように想定しています。
- 国内債券:0.7%
- 外国債券:2.6%
- 国内株式:5.6%
- 外国株式:7.2%
この相場観を把握しておけば、「この投資は年利20%確実に儲かります!」といった宣伝や営業を受けても、詐欺と見抜けます。リスクとリターンは比例する以上、「大きく儲かる可能性がある=大きく損する可能性もある」という前提を理解しましょう。