普段の「仲良し」は緊急事態では力不足だった

次は、コロナ前から仲の良かった夫婦のエピソードをご紹介します。

お話を聞いたのは、2人の子どもがいるBさん夫婦。高校の同級生同士で結婚した、同い年夫婦です。Bさん夫婦は、まわりからも「仲良し」だと言われていたそう。コロナ禍において、夫婦関係に何か変化はあったのでしょうか? こちらは夫の目線から──。

「僕たちは、どちらかと言えば仲の良い夫婦だと思います。子どもが2人いてもいまだに夫婦水入らずで出かけますし、夫婦だけでの時間も大切にしているほうではないでしょうか。コロナの問題が浮上して以来、世間では“コロナ離婚”をする人が増えているということを耳にしました。僕たちには関係のないことだと思っていたのですが、さすがに今まで経験したことがない状況の中で、ピリっとした空気が漂ったこともありましたね」

仲が良かったBさん夫婦でも、コロナ禍の真っ只中で今までどおりとはいかなかったよう。

「お互いフルタイムの共働きで、二人とも在宅勤務に切り替わったんです。子どもたちが通う学校や保育園も一時的に休校・登園自粛となったため、一時期は家族全員が丸一日ずっと一緒にいる状態が続きました。夫婦それぞれが普段は仕事に没頭していることもあって、家の中で『仕事』『家事』『育児』をどう分担していくかが問題になったんです」

子どものいる共働き夫婦が共に在宅勤務になった場合、どちらも今まで通りに仕事に没頭することはできません。仕事だけでなく、家事も子育ても分担していかなければいけないのです。Bさん夫婦も、この壁にぶつかったそう。

「お互いに会議が入ったりすると、子どもの相手をしてあげることができなくなってしまいます。かと言って、仕事は今までと同じようにこなさないといけない…。最初は家事と育児の負担が妻に偏ってしまって、『私も仕事してるんだけど、なんで私だけ仕事の手を止めないといけないの?』と言われたときはハッとしました」