「知」のシェアリング

CCライセンスは著作物を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示のツールです(マークとしては「CC」で表記)。これはウェブが普及した現在、作り手の権利が守られつつ、誰もが平等に作品を共有することを目指しています

日本の文化庁も2013年にCCライセンスの支援表明をしていますが、海外と比較すると日本では認知度も低く、利用も限定的な気がします。

海外の先進事例を紹介します。『21世紀の資本(トマ・ピケティ著)』という本をご記憶でしょうか。日本を含めて世界的なベストセラーとなりました。この『21世紀の資本』内の主要な図表はピケティによって、CCライセンスで権利処理されています。

ピケティがスゴイのは、その図表PDFをウェブ上で全世界に公開していること。ピケティのスタンスは「自由にダウンロードして、皆さんの議論の材料にしてください」ということです。

ちなみに「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の「コモンズ(Commons)」は「共有地」の意。これは「知のシェアリング」ということだと思います。

日本でも「シェアリングエコノミー」が浸透してきていますが、車のようなモノやオフィスなどのスペースだけでなく、知識を含めてあらゆるものが、そのような方向を志向していると思われます。「コピペは悪」とする「思想」はちょっと、古いのかもしれませんね。

榎本 洋