「公正な慣行」に合致し、「引用の目的上正当な範囲内」であること

これはちょっとムズカしいですが、引用の必然性があるかということです。つまり自分の論旨の参考意見である、あるいは全く反対の考え方の例であるといった事柄です。

自分の著作物が「主」、引用部分は「従」であること

最後は引用における「主従関係」です。これは『自己の著作物が「主」であり、引用部分が「従」であること』。量的なこともありますが、質的な部分も問われます。質的な部分は前述「引用の目的上正当な範囲内」と関連して考えることが必要です。

「自身の著作物の従たる範囲を超えて」引用するのが「転載」になります。転載には原則的に許諾が必要。ただし、国や地方公共団体等の広報資料などは転載が可能です(著作権法第32条2)。

CCライセンスとは何か

ここからは、少し頭を切り替えて、インターネット時代の著作権を考える上で参考となるCCライセンス(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)について紹介します。CCライセンスは2002年に米法学者ローレンス・レッシグを中心として発表されたオープンライセンスです。これは「著作権への挑戦」という風に捉えることも可能です。

従来の著作権の考え方は、まず、皆さんがよくご存じの「 ©(マルシー)」という表示、著作権表示/保護される領域があります。その対極にあるのが、「パブリック・ドメイン(PD)」。これは著作権が消滅した状態で、たとえば創作者の死から70年経過した等で実現される領域です。CCライセンスはこのふたつの領域の中間として定義されています。