デジタルツインコンピューティングとは

このようにデジタルツインは製造業を起点として、幅広い分野で活用されようとしています。その目的も、工程管理や保守・保全といった領域から、デジタルツインに集積されたデータをもとに、AIを活用した未来予測にシフトしています。

このデジタルツインをさらに、発展させたコンセプトをご紹介しましょう。それがNTTの提唱する「デジタルツインコンピューティング(以下DTC)」です。DTCは2019年5月に「IOWN(アイオン)構想」の一環として発表されました。

IOWN構想はICT(情報通信技術)を駆使した、未来におけるスマートワールドのコミュニケーション基盤として、2030年頃の実現を目指しています。主に3つの技術領域から構成され、DTCがその内のひとつです。

DTCの特徴は、未来に向けて増え続けるデジタルツインを、シームレスに連携させた世界を創造することです。たとえば、都市をまるごとデジタル上に再現すること。それは現実世界の都市とリアルタイムに同期した都市の再現を意味しています。

2020年3月にNTTとトヨタ自動車の“スマートシティ構想"における業務資本提供が発表され注目を集めましたが、その背景のひとつが、このDTCです。