バブルから平成そして令和へと時代を超えて

バブル期のクリスマスによくメディアで取り上げられたのは、高級ホテルでの宿泊・ディナーや恋人へのクリスマスプレゼントでした。1年前から部屋やレストランを予約するカップル、彼女へのプレゼントは高級ブランドのアクセサリーなど、今振り返ると別世界のようなものばかり。「クリスマスに恋人と過ごす」ことが定番化した時期でした。

しかしバブル崩壊を機に、クリスマスを派手に楽しむ恋人たちが脚光を浴びることはなくなりました。平成の30年間は12月23日の祝日を活かしたクリスマス商戦が熱を帯びましたが、それまでのゴージャスさから比べると落ち着いた雰囲気に変化していきました。

そして令和2年の今年はコロナによる巣ごもりで、家庭で普段より少し気張ったケーキを楽しむという”昭和なクリスマス”が復活しています。

一方で、今年の巣ごもり需要でクリスマスの定番商品が高い人気となっているのは、いかに日本でクリスマスというイベントが定着しているかを表す結果にもなりました。派手に宣伝しなくても、クリスマス商品は堅調に売れ続けるものと受け止められたのではないでしょうか。

【参考資料】 
ケンタッキーフライドチキンCM「クリスマス予約『新しい生活様式』編」(日本KFCホールディングス株式会社)
ケーキ通販サイト「Cakes.jp」ニュースリリース(PR TIMES)
不二家の歴史(明治〜終戦)(株式会社不二家)

中山 まち子