日並びは決して良くない今年のクリスマスですが、定番商品の需要はそう簡単に落ち込まないようです。コロナ禍で大勢での賑やかなパーティーができない状況は、クリスマス商戦に関わる企業にとってマイナス要素にも思えますが、実際は巣ごもり消費を追い風に驚異的な伸び率を見せている商品もあるようです。

ケーキの予約が前年比300%の会社も

クリスマスの定番、ケーキに関しては巣ごもり志向もあって予約数が伸びています。年末年始の外出自粛や忘年会などのイベント中止もあり、その分、例年よりもグレードアップしたケーキを買い求める人や、通販の利用が増えているといいます。

たとえば、ケーキ専門通販サイト「Cake.jp」を運営する株式会社Cake.jpは12月8日、2020年11月末時点でのクリスマスケーキ予約件数が前年比300%になったと発表。遠く離れた街のケーキ店や有名パティシエのケーキがインターネットで気軽に頼めるとあり、「家で過ごすクリスマス」需要のなかで人気を集めています。

老舗洋菓子店の不二家がクリスマスケーキを販売し始めたのが明治43年、1910年のこと。それから110年経った今、戦争や不況など歴史の荒波を何度もくぐり抜け、ケーキは日本のクリスマスに欠かせないアイテムとなりました。

クリスマスならではの華やかで楽しい飾りつけをしたケーキは、コロナ禍で不安が続く日常生活でもホッと一息つける癒しのスイーツです。クリスマス自体が平日であっても、やはりクリスマスケーキは非日常を味わいたい人の気持ちを掴んでいるのでしょう。