産後に変化する夫婦仲。より良い関係を築いていくためには
育児にあまり協力的でない夫の中には、未だ「子育ては母親である妻の仕事、外で働いて稼いでくるのが自分の役割」というステレオタイプ的な考え方を持つ人が多くいます。そのために、子供との関わり方もどこか気紛れだったり、あくまで「妻の仕事を手伝ってあげている」というようなスタンスであったりするようです。体力的にも精神的にも余裕のない産後の時期、夫にももっと当事者意識をもって育児に関わってほしいと望む妻たちが、募る不満やイライラを解消するにはどのようにしたらよいのでしょうか。
まずは、夫が少しでも育児に参加する意思や態度を見せたときには、「二人の子供なんだから当然でしょ」という気持ちをグッと堪えて、褒める、感謝の言葉を伝えるように心がけましょう。褒められて嫌な気持ちになる人はいませんし、気分良く次も、その次もと関わる回数が増えていけば大成功です。日頃の自分自身のやり方と方法や手順が違ったときにも、小言のようにならないよう気をつけて、言い方を工夫することで素直にアドバイスを聞き入れてもらいやすくなります。
また、「家で子供の相手をしているだけなのに何がそんなに大変なんだ」といったように、育児や主婦業の大変さを理解していない夫には、期間限定で母親業を任せるのも効果的です。仕事が休みの日を利用して、数日間だけでも母親の仕事を体験してもらいましょう。育児や家事をひとりでこなすことの大変さ、母親業の苦労が分かれば、少しは育児に協力的になってくれるはずです。
おわりに
「産後うつ」の問題も大きく取り沙汰されている今、妻ひとりが育児の大変さを抱え込んでしまうことのないように、夫のサポートがとても重要視されています。また、子供が小さなうちから家事や育児に積極的な姿を見せていると、将来、父親が家庭で疎外感を覚えることが少なくなるそうです。妻の負担を減らすのはもちろん、その後の夫婦仲や家族仲が良くなるなど、男性が子育てに関わることのメリットは大きいといえます。
記事に登場したご夫婦のように修復困難なほど二人の仲が悪化してしまうことのないよう、授かった大切な子供を共に育てていくチームの一員であるという自覚を持って育児に参加していけるといいですね。
中川 雅美