女性にとって命を懸けた大仕事である出産は、夫婦で歩む人生においても大きな出来事のひとつです。産後、特に一人目の子の場合は慣れない育児に臨む妻に対して、夫が適切なサポートができるか否かは、その後の夫婦仲にも少なからず影響を与えます。

今回は、出産後の夫の態度をみて急速に気持ちが冷めていったという新米ママのエピソードと、育休を取得して妻のサポートに努め、より仲が深まったと感じているパパの経験談、その両方をみていきましょう。

睡眠不足の妻を横目に朝帰り…完全に冷めてしまった夫への愛情

「そもそも出産のとき、分娩室に入ったはいいけれど特に何をするでもなくぼーっと立ち尽くして、そのくせ義実家への報告の電話だけは早かったその態度に呆れていました。『やっと生まれたよ~!』なんて、あなたは何もしていないくせに…って」と、第一子誕生の日を振り返るのはAさん。退院後に3人での生活が始まると、夫への不満はますます募り、気持ちも冷めていったといいます。

「息子は寝つきがあまり良くなくて、特に月齢が低いうちは立って抱っこをした状態でないと寝てくれない子でした。とにかく毎日寝かしつけに苦戦して、睡眠不足の日が続いて…。夫は運転士をしているので、翌日の勤務に支障が出てはいけないということで別室で眠るようになったのですが、正直『ふたりの子供なのに、どうして私だけが毎日こんなに大変な思いをしてボロボロになっているんだろう』というイライラも募っていきました。

もちろん、寝不足で運転して事故を起こしてはいけないので、睡眠をしっかりとりたいという夫の言い分は理解していたのですが、私への労いの言葉ひとつもなく出産前と同じ生活リズムを頑として崩さない態度に不満があったのは事実です。」

その後、心身共に限界が近づき、Aさんはノイローゼ状態に。夫はそんなAさんに手を差し伸べるどころか、次第に距離をとるようになっていったといいます。

「今にして思えば、ぐずってばかりの息子と暗い顔をした私が待っている家になんて帰りたくないと思ったのかもしれません。産後3カ月ほど経った頃から、残業だなんだと、夫の帰宅時間が遅くなり始めました。翌日の勤務がない日などは、深酒をして明け方に家に戻るなんてことも。でも家にいたところで頼りになるわけじゃないし、いっそいない方が楽だなって思っていましたね。うちは夫が単身赴任をしている家庭で、基本的に私と息子しかいない、って考えようと。それでも、夜中に帰った夫の立てる物音で眠っていた息子が目を覚ましてしまった日には殺意すら覚えましたし、その頃にはもう一緒の空気を吸うのすら嫌でした」

産後の夫の振る舞いを見て完全に愛情を失ってしまったというAさんは、もうすぐ息子が2歳になるという今でも時々「離婚」の二文字が頭を過ぎるそうです。