新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、民間企業の給与水準は大きく低下しました。その状況を踏まえ、人事院勧告を受けた政府は、2020年度の国家公務員のボーナス(期末・勤勉手当)の引き下げと、月給の据え置きの実施を決定しています。

10年ぶりに行なわれた、国家公務員のボーナスのマイナス改定。しかし、それでも「公務員は安定しているうえに給料が高い」というイメージを持っている人は少なくありません。

実際のところ、会社員と公務員の給料にはどのくらいの差があるのでしょうか。給料に関するさまざまなデータをもとに、両者を比較してみましょう。

「民間の会社員」の給料は?

まずは国税庁の「令和元年(2019年)分民間給与実態統計調査」をもとに、民間会社員の平均給与(年収)を見ていきましょう。

  • 会社員の平均年収…436万4,000円

(うち平均給料・手当366万1,000円、うち平均賞与70万3,000円)

ちなみに、公務員(後述)と比較しやすいよう、「うち平均給料・手当366万1,000円」を月平均になおしてみると、30万5,083円となります。

とはいえ、これはあくまでも会社員全体の数字です。民間企業の給与は企業の規模によっても差があるため、企業規模別にみたデータも確認しておきましょう。厚生労働省の「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査」における、企業規模別の平均給与は以下の通りです。

男性

  • 大企業:38万300円    平均年齢42.9歳 勤続年数15.6年
  • 中企業:32万3,200円   平均年齢43.5歳 勤続年数13.3年
  • 小企業:29万7,100円   平均年齢45.6歳 勤続年数11.8年

女性

  • 大企業:27万900円    平均年齢40.5歳 勤続年数10.3年
  • 中企業:24万8,100円   平均年齢42.0歳 勤続年数9.7年
  • 小企業:22万8,700円   平均年齢43.1歳 勤続年数9.2年

なお、それぞれの用語の意味は以下の通りです。

【企業規模】

調査労働者の属する企業の全常用労働者数の規模。常用労働者 1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分しています。

【賃金】

6月分の所定内給与額。所定内給与額…労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(①時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給される給与をいう)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額。