「老後2,000万円問題」を始め、いまだ収束が見えない新型コロナウイルスの感染拡大など、将来が不安になるような経済状況が続いています。そんな中でも「今までしっかり準備してきたから大丈夫!」という方もいるでしょう。

しかしながら、老後の資金計画については今一度見直してみたほうが良いかもしれません。というのも、長く会社に勤めて定年を迎えた方たちに話を伺うと、「ある出費」を見逃していたというケースがとても多いのです。

しっかりと老後資金を準備していても、想定外の大きな出費があると当初の計画が崩れてしまいかねません。そこで今回は、安心して老後を迎えられるよう、見逃しがちな老後の出費について改めて確認していきたいと思います。

会社勤めが長い人が見落としがちな出費とは?

数十年間勤め上げ、ようやく自分の時間がゆっくり取れるようになる定年退職。しばらくは読む時間がなかった本でも読んで自宅でのんびり過ごそうか、長めの旅行にでも行こうかと、いろいろと夢は膨らむことでしょう。

しかし、筆者が出会った方々の中には、理想の老後を叶えるべくコツコツと準備してきたにもかかわらず、「定年後の健康保険料や住民税の存在を忘れていた」という方が多数いました。自分で確定申告をする自営業の方や、日頃から税金や保険料をしっかりと確認している方は、「それを忘れるの!?」とびっくりするかもしれませんね。

筆者も驚きましたが、「健康保険料は会社と折半」「給与天引きで納付まで会社が済ませてくれる」という状態が長かった方の中には、給与の手取り額しか見ておらず、保険料や税金に意識が向いていなかったというケースが少なくないようです。