「税・社保負担が多い」年収1000万円世帯
では、年収1000万円世帯の税負担はどのくらいになるのでしょうか。
日本の所得税は累進課税(所得が高いほど、税率が上がるしくみ)となっています。また、住民税や社会保険も、所得額が多くなるほど、高くなります。
モデルケースとして「専業主婦の妻と、中学生の子どもを扶養する、40代の男性」が、年収1000万円だった場合、所得税・住民税、社会保険料を差し引いた最終的な手取りは730万円前後となります。
細かい計算はさておき、健康保険・雇用保険・厚生年金保険の社会保険料は、通常年収の15%程度になることが知られています。さらに所得税と住民税を差し引くと、手取り額は約733万円となります。
これを月給に換算すると約61万円。
「1000万円」を単純に12カ月で割った場合、1カ月当たり80万円を超えるはずなのに…。年収1000万円の手取り月給が約61万円だということに、ちょっとびっくりした人もいるかもしれませんね。
子育て関連・補助制度の所得制限
さて、多くの世帯で負担が大きいのが教育費関連といえるでしょう。
年収1000万円超世帯の場合、児童手当や高校無償化制度の所得制限を超えてしまいます。中学卒業までの子どもを養育している世帯を対象に支給される児童手当(※2)も、一般的に1人あたり月額1万円~1万5000円の支給が、所得制限で一律5000円に。2020年4月からスタートした「私立高校授業料の実質無料化制度」(※3)についても、支援を受けられる世帯年収の目安は910万円未満のため対象外となります。
教育費のほかに「もしもの備え」がたいせつ
年収も高く、企業での地位も一定の高さにあるような場合、我が子に最適な学びの場を求めて、小学校・中学校受験などを早い時期から考え始めるご家庭も多いでしょう。しかし、塾通いや私立学校への進学で、一気に家計が火の車になることも。
教育費を含めた子どもへのお金については、進学関連だけでなく、将来に向けてのライフプランをしっかり立てていく必要があります。