さまざまな分野で使われているグリーン電力証書
グリーン電力証書はさまざまな分野で活用されています。
スーパードライのような製造分野の他に、建物全体の使用電力をグリーン電力とするもの。ひとつのイベントの運営をまるごとグリーン電力とするもの。少し変わった事例としてはCSR報告書といった印刷物に使用する例もあります。これは大手印刷会社がグリーン電力証書をまとめて購入し、印刷に使用する電力にグリーン電力証書を割り当てるスキームが主流です。
日本ではカーボン・オフセットに関して「自分が削減しないで、他人の削減分を金で買うのか」という否定的な意見もあります。しかし、グリーン電力証書でいえば、その購入費用は、証書発行事業者を通じて発電設備の維持・拡大などに利用されているのも事実です。
もう少し大きな視点では、これからの環境政策には市場メカニズムを、どう活用するかが課題となります。たとえば海外では、CO2排出量削減の取り組みや成果を公開し、優良企業への投資を促進する「CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト) 」などが以前から注目を集めています。
日本が環境先進国へと舵を切るならば、そういう視点も重要になってくると思われます。世界的な価値観からすると、環境分野こそが21世紀最大のビッグビジネスのひとつなのですから。
【参考資料】
「グリーン電力」(アサヒビール株式会社)
「グリーン電力証書」(日本自然エネルギー株式会社)
「グリーン電力ソリューション」(大日本商事株式会社)
榎本 洋