10年前の平均額は、いかに?

さきほどの表を見て、「自分は同年代の人と比べて、どれくらい貯めているのか?」という点が気になってしまった、という人は多いでしょう。

20代の人はいずれ30代になり、さらに年月を経て40代、50代、60代となっていきます。なかには、年代ごとの数値を追うことで、将来的な貯蓄額や負債額の目安としてとらえる人もいるかもしれません。

ではここで、ちょうど10年前、2009年の数値を振り返ってみましょう。2019年に働き盛りの30代は社会人になったばかりの20代、そして就職氷河期世代の40代は、働き盛りの30代でした。その時に、将来的な貯蓄額や負債額の目安としてみていた数値は、10年後(2019年)の現実の数値とどのぐらい差があるものなのでしょうか?

※総務省統計局のデータをもとに、編集部にて作成。

比較すると、2019年のほうが、全年代において全体的に貯蓄額が高くなっていることがわかります。例えば、2009年時点で20代だった人が、「30代になったら600万たまっていれば御の字」と思っていたところ、いざ30代になったら平均額は700万円超になっていた…というところでしょうか。

その一方で、負債額もまた全体的にアップしています。全体平均で約200万円上昇、20代、30代に至ってはほぼ倍額になっていることがわかります。しかもそのほとんどは、「住宅・土地のための負債」が占めています。

では、なぜこの10年で貯蓄額も負債額もアップしたのでしょうか。次では、同調査から関連しそうな数値を拾って、比較していきます。