シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は牛丼チェーン店「吉野家」他を運営する吉野家HD(9861)の2020年11月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。
直近の月次実績
2020年12月に更新された吉野家HDの2020年11月既存店売上高は、対前年同月比93.4%。内訳は客数90.3%、客単価103.4%で、客単価のプラスで客数のマイナスをカバーできずにマイナス成長となりました。
全店売上高も95.2%で、既存店・全店ともにマイナス成長となっています。
今期の既存店売上高の振り返り
では、同社のここまでの既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は2月決算)。
前期の既存店売上高は特殊要因のあった2月を除き、11カ月全ての月でプラス成長が続きました。今期はマイナス成長が3月から9月まで7カ月続きましたが、10月は対前年同月比100.4%となり今期初のプラス成長。しかし11月は93.4%と、再びマイナス成長に転じました。
一方で全店売上高は前期全ての月でプラス成長を達成。今期は10月に加え3月も対前年同月比100%以上となりましたが、概ね既存店同様の推移を見せています。
過去1年の株価動向
最後に同社の株価動向を見ていきましょう。
同社の株価は2020年1月の3,050円が天井となった後、2月後半以降の株式市場全体の下落もあり、3月には安値1,709円まで下落しました。その後5〜6月にいったん2,500円台を回復したものの再び下落し、2,000円を前後する取引が8月半ばから続いています。
同社は新型コロナの影響を比較的抑えることができたものの、回復が遅れています。11月に再びマイナス成長に落ち込みましたが、これを12月にプラス成長に戻すことができるのか注目されます。
参考資料:吉野家月次推移(2020年度)
LIMO編集部