「JTで働くと、実際どのくらいの給料がもらえるのか?」「たばこ事業で世界展開する大手企業の待遇は、他業界と比べて高いのか」と気になっていませんか?
JTが2026年3月に提出した有価証券報告書によると、提出会社(単体)の平均年間給与は1003万9116円で、初めて1000万円を超えました。
ただし、この金額には賞与及び基準外賃金も含まれており、年齢や勤続年数によって額面の印象と実感には差が出ることもあります。
本記事では、平均年間給与や平均年齢・勤続年数、従業員数に加え、2025年に医薬事業を譲渡した組織再編の動きや、直近5年間の売上収益・利益の推移も有価証券報告書のデータをもとに確認します。
就職・転職先を検討する際の参考はもちろん、株主として投資判断を行う際にもぜひご活用ください。
- 平均年間給与は1003万9116円、初の1000万円超え:提出会社(単体)の2025年12月期実績で、平均年齢41.0歳・平均勤続年数14.7年に対する、賞与及び基準外賃金を含む金額である。
- 従業員数は単体5303人・連結5万2867人、医薬事業譲渡で691人減:2025年12月に医薬事業(鳥居薬品含む)を塩野義製薬へ譲渡し、たばこ事業と加工食品事業の2本柱に再編された。
- 連結税引前利益は7398億円で5期間の最高水準:2024年12月期はカナダ集団訴訟の和解費用計上で一時的に落ち込んだが、2025年12月期は本業の増収増益で大きく回復した。
1. JTの平均年間給与はいくらか
有価証券報告書によると、JT(提出会社単体)の2025年12月31日時点における平均年間給与は、1003万9116円でした。
前期(2024年12月期)の951万6774円から増加し、初めて1000万円の大台を超えました。
平均年齢は41.0歳、平均勤続年数は14.7年となっています。
なお、この平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれています。
2. JTの従業員数は何人か
有価証券報告書によると、提出会社(単体)の従業員数は2025年12月31日時点で5303人でした。
前期末の5994人から691人減少していますが、これは2025年12月に医薬事業を譲渡したことが主な要因です。
JTは2025年5月、医薬事業の承継及び鳥居薬品株式会社の株式譲渡に関する合意書を塩野義製薬株式会社と締結しました。
その後、同年9月に鳥居薬品の全株式を、同年12月に医薬事業そのものを譲渡しています。
この事業再編に伴い、従来「国内たばこ事業」「海外たばこ事業」「医薬事業」に分かれていたセグメントは、「たばこ事業」「加工食品事業」の2区分に整理されました。
提出会社(単体)のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- たばこ事業:4746人
- 加工食品事業:29人
- 全社共通業務等:528人
一方、連結ベースの従業員数は5万2867人となっています。
セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- たばこ事業:4万7900人
- 加工食品事業:3906人
- 全社共通業務等:1061人
3. 過去5年間の業績推移
JT(連結)の業績推移も確認しておきましょう。
売上収益は、2021年12月期の2兆3248億円から一貫して増加を続け、2025年12月期には3兆4677億円となりました。
税引前利益は、2021年12月期の4724億円から2023年12月期の6216億円まで拡大しましたが、2024年12月期は2243億円まで急落しました。
これは、カナダにおける喫煙関連の集団訴訟の和解に伴い、訴訟損失引当金3756億円を計上したことが主な要因です。
2025年12月期は、この一時的な影響が剥落したことに加え、たばこ事業・加工食品事業の増収増益もあり、税引前利益は7398億円と5期間で最高水準まで回復しました。
親会社の所有者に帰属する当期利益も、2024年12月期の1792億円から2025年12月期には5102億円まで増加しています。
4. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面の処遇だけでなく、働きがいや働きやすさといった職場環境が大切なのは言うまでもありません。
とはいえ、「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうした有価証券報告書ベースのデータが、就職活動や転職活動、そして株式投資の参考になれば幸いです。
4.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人員数となっています。
4.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
5. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
有価証券報告書に記載される平均年間給与や従業員数は、賞与や基準外賃金を含めた会社全体の平均値であり、年齢や役職、勤続年数によって実際の手取り額には幅があります。就職活動や転職活動でこうしたデータを参考にする際は、平均値だけでなく、初任給や賞与の支給実績、住宅手当・退職金制度といった福利厚生面もあわせて確認することをおすすめします。JTの平均勤続年数は14.7年と長く、長期雇用を前提とした人事制度が根付いている傾向がうかがえ、腰を据えて働きたい方にとっては参考材料の一つになるでしょう。また、2025年の医薬事業譲渡によりたばこ事業・加工食品事業への集中が進んでいるため、今後のキャリアを検討する際は、どの事業領域で採用が行われているかも確認しておくとよいでしょう。
一方、投資家目線で見ると、JTは2024年12月期にカナダの集団訴訟和解に伴う一時的な費用計上で大きく減益したものの、2025年12月期には税引前利益7398億円、親会社の所有者に帰属する当期利益5102億円と、いずれも過去最高水準まで回復しています。訴訟という不確実性の高い要因が一巡し、たばこ事業・加工食品事業への選択と集中が進んだ収益基盤の実力が改めて示された形といえるでしょう。
新NISAなどを活用してJT株に長期投資を検討する場合は、平均年間給与や従業員数の推移とあわせて、医薬事業譲渡後の事業ポートフォリオがどのように収益成長へつながっていくか、また海外市場を含めた為替一定ベースでの増収増益基調が持続するかどうかもチェックすることをおすすめします。
参考資料
- 日本たばこ産業株式会社「有価証券報告書」(第41期、2025年12月期)
- 日本たばこ産業株式会社「有価証券報告書」(第40期、2024年12月期)
- 日本取引所グループ「3-2.上場会社とは②~上場会社の情報開示~」
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