シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内たばこ最大手であるJTです。
JTの平均年間給与はいくらか
JT(提出会社)の2017年12月31日時点での平均年間給与は 857.8万円と800万円を超えています。また、従業員の平均年齢は42.4歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は18.5年となっています。
JTの従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2017年12月31日時点で7336名。単体で7000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
- 国内たばこ事業:5977名
- 医薬事業:763名
- 提出会社の全社共通業務等:596名
また、連結の従業員数は5万7963名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- 国内たばこ事業:1万291名
- 海外たばこ事業:3万9281名
- 医薬事業:1883名
- 加工食品事業:5489名
- 提出会社の全社共通業務等:1019名
過去の業績推移
JT(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
まず、売上収益ですが、過去5年をみるとレンジ内での推移が続いています。2017年12月期には売上収益は2兆1396億円となっています。ただし、同社は2014年に決算期が3月決算から12月決算に変更となっているのには留意が必要でしょう。過去3年で見ると若干ですが減収傾向となっています。2015年12月期の売上収益は2兆2528億円となっています。
税引前利益についても12か月決算となった2015年12月期からの過去3年で見れば横ばいの傾向が続いています。2015年12月期には5651億円の水準であったものが、2017年12月期には5385億円になっています。
投資家の注目も集まる「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益も同様に2015年12月期からみれば減益傾向で、2015年12月期には4856億円あったものが、2017年12月期には3967億円になっています。
今後の注目点
JTでは全社利益目標及び株主還元の中長期の方向性を「経営計画2018」において設定しています。「経営計画2018」では(為替一定ベースの調整後)営業利益の成長率を中長期で「mid to high single digit(一桁台半ばから後半)」の成長率を目指しています。今後の「経営計画2018」の進展に注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部