令和2年版厚生労働白書では、2040年に65歳の人が90歳まで生きる確率は、男性で42%、女性で68%と予想しています。

「人生100年時代」が身近になる中、いくら年金がもらえるのかは重要な関心事でしょう。年金の受取額の目安が分かれば、老後資金をどの程度用意しておけばよいか分かるからです。

この記事では、会社員や公務員が加入する厚生年金の受給額がどの程度なのかを、元証券マンが男女別に見ていきます。

公的年金の月の平均受給額

公的年金には、すべての国民が対象になる「国民年金」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金」があります。

国民年金に10年以上加入していた人が65歳から受け取るのが「老齢基礎年金」です。

国民年金に25年以上加入していた場合の支払い額は、月額6万5141円(令和2年4月分~)となっています。

一方、国民年金に10年以上加入、かつ厚生年金に1カ月以上加入した人が受け取れるのが「老齢厚生年金」です。

令和2年4月分からの厚生年金の支払い額は15万5583円となっていますが、この受給額は平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円で、40年間就業した場合に受け取る額になります。

厚生年金の受給額は収入と保険料の納付月数によって決まります。収入が大きいほど受給額も大きくなるということです。

厚生年金の男女別平均受給額

厚生年金は、生年月日によっては1年以上加入していると60歳から65歳までの間に「報酬比例部分」もしくは「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れます。

「平成30年度厚生年金保険・国民金事業の概況」によると、男女別の平均受給額(平成30年度末)は、以下の通りです。

男子

  • 60歳:96,673円
  • 61歳:112,496円
  • 62歳:87,404円
  • 63歳:90,957円
  • 64歳:97,209円
  • 65歳以上:172,742円

「特別支給の老齢厚生年金」における定額部分の支給開始年齢が、平成13年度から段階的に上げられ、原則として定額部分のない報酬比例部分のみの年金となったので、64歳までと65歳以上で大きな差となっています。

女子

  • 60歳:81,956円
  • 61歳:54,154円
  • 62歳:50,006円
  • 63歳:48,378円
  • 64歳:51,026円
  • 65歳以上:108,756円

女子については、「特別支給の老齢厚生年金」における定額部分の支給開始年齢が男性から5年遅れで平成18年度から段階的に引き上げられ、平成30年度から定額部分のない報酬比例部分の年金となったため、64歳までと65歳以上で大きな差があります。

また、報酬比例部分の支給開始年齢が平成30年度に61歳に引き上げられていることから、60歳の受給権者は繰上げ受給を選択した人となります。繰上げは基礎年金も同時におこなわれるため、平均年金月額が高くなっています。

厚生年金の受給者数は、平成30年度末に357.5万人で内訳は男子235万人、女子122.5万人となっています。受給者数は男子が65.7%を占めているのです。
年齢別の平均年金月額の男女差 を計算すると以下の通りとなります。

  • 60歳:14,717円(男子96,673円―女子81,956円)
  • 61歳:58,342円(男子112,496円―女子54,154円)
  • 62歳:37,398円(男子87,404円―女子50,006円)
  • 63歳:42,579円(男子90,957円―女子48,378円)
  • 64歳:46,183円(男子97,209円―女子51,026円)
  • 65歳以上:63,986円(男子172,742円―女子108,756円)

厚生年金の支給額は勤続年数や収入により異なっており、まだまだ男子の方が高い傾向にあります。ただし、会社員や公務員でも、途中で自営業になった場合などは受給額が少なくなる場合がありますので注意が必要です。

まとめにかえて

厚生年金の受給額は、男性の方が女性よりも高い傾向にあることが分かりました。ただ、国民年金と異なり、勤続年数によって受給額が異なりますし、女性でも男性並みに給与がある方もいらっしゃるでしょう。自分がどの程度もらえるのかはねんきん定期便やねんきんネットを活用して確認しておくようにしましょう。

参考資料