「そこまでしないと社員を守れないなんて悲しい世の中になったと思うけれど、悪質なクレーマーがいる限り仕方ない。偽名を使うことでオペレーターのみんなのストレスや心理的負担を和らげることができているのなら、業務に支障がない範囲でこういう対策も必要」と話していました。

大きな声と暴言で威嚇するだけでなく…

「コロナ禍が始まって、店員にイチャモンをつけたり、大声で罵倒したりすることを何とも思わなくなった顧客が増えた気がする」と話すのは、生活用品店で働く30代のBさんです。

「感染拡大の初期にマスクやトイレットペーパーがなくなって、店員を怒鳴りつける顧客が問題になった時期があった。その対策として、店員が直接説明しなくてもいいように大きな紙に赤い文字で『トイレットペーパー入荷の目途は立っておりません』と書いたり、店内放送でも呼び掛けたりした」と言います。

「それでも、『店員に何か一言文句を言わないと気がすまない』とか『看板にはああやって書いてあるけれど、店員に聞けば教えてくれるはず』みたいなクレーマーが多くて、『いつ入荷されるんだ』『なんでそんなこともわからないのか』『この役立たず』なみたいな暴言を吐いていた。そして、あのとき店員を怒鳴ることに慣れた顧客が、今も何かあるとすぐ大声で威嚇している気がする」と話します。

「中には怒った顧客に肩を突き飛ばされたり、頭突きされたという店員もいる。そういう場合でも、各店舗の判断で警察を呼ばないことが多かったようだけれど、明らかに暴力沙汰だし悪質な場合は呼んでもいいと思っている。本社はノーリアクションだけれど、そういうのは本社からしっかり通達すべき」と語ってくれました。

たしかに肩を押したり、突き飛ばすような暴力は、たとえ顧客の立場であっても許されるものではないでしょう。