人事院の発表によると、公務員の2020年の期末ボーナスは現行の4.50カ月分から4.45カ月分(0.05カ月分のマイナス)にとどまり、月例給は改定なしとのことです。
コロナ不況にあえぐ民間企業に比べ、公務員の高い安定性には目を見張るものがあります。
子どもに就いてほしい職業ランキングでも常に上位の「公務員」ですが、いつの時代も安定した収入を得て、幸せに暮らしてほしいという親の願いが反映されているとも言えますね。
現役時代も安定した収入を得られる公務員ですが、老後を迎えた後の生活はどうなのでしょうか。
私は国内の大手生命保険会社に勤務経験があり、ファイナンシャルプランナーとして1000世帯以上もののお客様のファイナンシャル・プランニングに携わってきました。
今回は、公務員の受け取る年金についてデータを元に確認してみたいと思います。
厚生年金と共済年金の統一
これまで「国民年金」「厚生年金」「共済年金」に分かれていた年金制度のうち、公務員の年金、つまり共済年金ですが、2015年10月に厚生年金と統合され、廃止されています。
主には官民格差の是正、つまり公的制度をより公平な仕組みとして国民の年金制度に対する信頼感・安心感を高める事を目的とした制度改正です。
実は、共済年金には「職域加算」という独自の年金制度がありました。
この職域加算はいわば、年金制度の「3階部分」に相当し、大企業の会社員が加入する企業年金と同じ仕組みを持っています。
3階建て部分は公務員や大企業の会社員の特権になりますので、この部分を解消する目的で年金が一元化されたのです。
負担する保険料にも差があったため、段階的にこの料率を引き上げ、2018年に公務員共済も厚生年金の保険料率の上限である18.3%に統一されています。
ちなみに学校法人等に使用され報酬を受ける人が加入者となる私学共済 ですが、段階的に引き上げていくことに代わりはないのですが、18.3%になるのは、2027年となっています。