「子どものため」耐えたいじめ 

小学4年生の男児を持つ、40代のC子さん。

子どもが小学1年生のときにPTA役員をしたことから、同じ学年のママ4人と仲良くなったそうです。授業参観や運動会など、学校行事のときは一緒に集まるようになったのだとか。

「当初はみんな仲良しでした。共働きで役員会議に出られないママ友の代わりに、専業主婦の私がPTAの仕事をしたら、ものすごく喜んでもらえて。一気に仲良くなりました。子どもたちも一緒にBBQをしたときは、ほかのママ友が車を出してくれたり買い出しに行ってくれたりと、お互いに支え合える関係でした。」

そんな仲良しママ友グループだったC子さんたちに亀裂が入ったのは、子どもたちが小学3年生になったばかりのころ。パートタイマーとして働きだしたC子さんは、ママ友グループから避けられるようになったといいます。

「原因はすぐにわかりました。もともと専業主婦だった私は、ママ友の用事があるときはママ友の子どもを預かっていたんです。忙しいママ友に代わって、学校へ忘れ物を取りに行ったこともありました。それまでは『お互い様』だと思ってやっていたのですが……都合の良いように思われていたのでしょう。“できない”と断るようになると、一気に距離を置かれるようになりました。」

そこから、C子さんは仲の良かったママ友たちからのいじめを受けるようになります。学校行事で会っても無視、影でC子さんを指さしてクスクス笑っていることもありました。また、ほかの保護者に「C子さんには近づかない方がいい」と告げ口をしているようで、だれからも話しかけられなくなったのだとか。

「それでも、このときは必死にママ友グループに媚を売っていました。無視をされてもグループのそばについて、授業参観や運動会の場所取りも勝手にやりました。」

C子さんがここまでママ友グループに固執する理由が、子どもへの影響が心配だったからだといいます。

「自分のせいで息子がいじめられたらと思うと、耐えられませんでした。私が我慢をすれば、私が無理をすれば息子が助かると考え、ママ友の機嫌ばかりうかがっていたんです。」

そんな中、やってきたのが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大。小学校は臨時休校となり、自然とママ友と距離ができるようになりました。