ハラスメントの百貨店と言われた会社
「ウチの会社は、転職した同期に言わせると『ハラスメントの百貨店』らしい」と苦笑いで話すのは、建材メーカーで営業として働くCさんです。
「うちは古い体質で、ハラスメントが当たり前のように横行していた。さすがに灰皿を投げるようなことはないけれど、上司が『ふざけんなよ!』と言いながらデスクを蹴ったり、部下を罵倒しながらフロアをうろついたりするのは当たり前。お客さんへの電話中に罵声が聞こえないように、外出先で電話をかけることも多々ある」とのこと。
こうしたパワハラだけではなく、「事務の女性に対するセクハラは日常茶飯事。人事はいまだに『女性の既婚や30歳以上は採用しない』方針らしいし、結婚して妊娠した女性には産休を取らせずに辞めさせるよう人事や上司が圧力をかけたらしい」と言います。
「転職した同期と飲みに行ったとき『あの会社にいたら、どこだってホワイトに感じそう。あの会社はハラスメントというハラスメント全部が詰め込まれた、まさにハラスメントの百貨店だから』と笑いながら言われて、心にグサっときた。そして『なんでせっかく勉強して、就活して、いろいろ頑張ってきた人生なのにそんなハラスメントが常態化した会社にいなきゃいけないの?って思って転職した』と聞いたときに自分も転職活動を決意した」とCさん。
現在は全く違う業界に飛び込み、未経験から働いていますが仕事は順調のこと。「あの会社で唯一身についたのは忍耐力。あの頃のことを思えば、もう何もツラくない」と笑っていました。