当たる確率は低いのに、なぜ期待してしまうの?

普段私たちは「合格率○%」「成功率○%」「降水確率○%」などと、さまざまな確率に触れて過ごしています。数字で示されることで分かりやすいと感じますが、実は正しく理解できているわけではありません。

先ほど述べたように、プロスペクト理論の確率加重関数では、以下の傾向が示されています。

  • 高い確率は、実際よりも低く感じる(過小評価する)
  • 低い確率は、実際よりも高く感じる(過大評価する)

例えば、90%成功する手術と言われても、残りの10%の失敗が大きく見えてしまいます。あるいは、80%の社員はリストラしないと告げられた場合、数字以上の不安を覚えるのではないでしょうか。

一方で、事故や大きな病気、自然災害に対する“万が一”は、実際に起こる確率が非常に低くても、その可能性を大きく考えてしまいます。だから多くの人は備えとして保険に加入するのです。また、天気予報で降水確率20%の日に、折りたたみ傘を持っていく人は珍しくありません。

このように人は、確率という数字に対して、正確に捉えず主観的に感じているのです。

年末ジャンボ宝くじ1等の当選確率は2,000万分の1、つまり0.000005%。こう見ると、ほぼ0とも言えるほど極めて低い確率です。しかし宝くじを買う人は、この数字(客観的確率)を実際よりも高く見積もっているからこそ、その機会を購入するのです。

「もしかしたら当たるかもしれない」「誰かは当選するのだから」と、実際の確率よりも大きな期待をしてしまう…それが人の心理なのです。