しかし、ブラックフライデーの「ブラック」は小売店の収支が一気に黒字化することを意味しています。決してそれまで赤字続きというわけではありませんが、売上が大きく伸びるこの日を契機に、その後の利益が急増することは各社の決算資料などで示されています。
イオンが火付け役となった日本のブラックフライデー
さて、米国では国民的なイベントになったにもかかわらず、日本ではブラックフライデーが浸透しませんでした。いや、実施しなかったという方が正しいでしょう。
明確な理由は不明ですが、第4金曜日とはいえ11月はまだクリスマス商戦には早いと判断されたのかもしれません(注:最近は早まっており、11月初旬から実施するケースも珍しくなくなりました)。また、11月末はボーナス支給前の企業が圧倒的に多いことも理由として挙げられます。
そんなブラックフライデーですが、日本でも徐々に根付こうとする気配が見られます。大きな契機は、4年前の2016年にイオンが初の試みとして導入した「日本版ブラックフライデー」でした。その実施規模は、イオングループの約20,500店舗(当時)でブラックフライデーを含む週末3日間にセールを行うなど、かなり力の入った取り組みでした。
また、翌2017年はブラックフライデーの前日(木曜日)に「ブラックフライデー フライングセールス」と称した“前夜祭”まで開催する入れ込み様で、その後も毎年、力を入れたイベントを開催しています。
イオン以外の小売企業を見ても、しまむらを始めとして、ブラックフライデーを特売セールの“ネタ”に使う企業は続々と増えています。また、ユニクロやGUもブラックフライデーという呼称こそ使用しないものの、この時期に「誕生感謝祭」と銘打った特売を行うのが恒例になってきました。