本当に老後2000万円も必要なのか

しかしまずここで、本当に老後に2000万円必要なのかを考えてみましょう。総務省統計局の「家計調査報告」(令和2年9月分/二人以上の世帯)によると、1ヵ月の消費支出は1世帯あたり269,863円、うち勤労者世帯では304,161円、無職世帯では215,301円だそうです。また、60代以上の支出は現役期と比べて2~3割ほど減少する傾向にあるといわれています。もちろんこれは雇用状況や家族構成、住環境などによって個人差が出るものです。

老後2000万円が話題となった金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」。これは、夫(65歳)妻(60歳)がともに無職、30年後まで毎月5.5万円の赤字となる生活を続けた前提で算定されたものです。そのため、ここで導き出された2000万円という数値が自身のライフスタイルとはかけ離れているケースも当然ありえます。まずは自分の生活を把握し、必要な老後資金について見直すことが必要になるでしょう。