金融庁の調査によって表面化した老後2000万円問題。しかし、以前から老後資金の長期形成の大切さが叫ばれていたものの、貯蓄にまわす余裕がないというのが現実かもしれません。しかし、実際2000万円も貯蓄ができている60代はいるのでしょうか。そして、本当に老後に2000万円のお金が必要なのでしょうか。さまざまなデータを元に、老後生活について考えてみました。

2000万円貯蓄している60代は2割を越える

実際、2000万円貯蓄している60代世帯はどのくらい存在するのでしょうか。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より「金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)」の60代世帯についてみてみましょう。

60歳代(世帯主の年齢)
【金融資産保有平均額:1,635万円(中央値650万円)】
100万円未満:3.5%
100~500万円:13.8%
500~1000万円:11.1%
1000~2000万円:15.6%
2000万円以上:24.5%

60代の時点で2000万円を越えている世帯は、2割を越えるという結果です。でもここで見逃せないのが、金融資産を持たない世帯。実は、同データにおける60代世帯の金融資産非保有世帯は23.7%にものぼるのです。2000万円以上の資産を持つ世帯と、まったく貯蓄のない世帯がほぼ同じ割合と、2極化している現状が浮き彫りとなっています。