働き盛りで、育児やマイホーム取得など出費もかさむ50代。しかし、まだまだと思われがちな定年が、そこまで迫っていることを忘れてはいけません。子どもが巣立ち、自分たちの老後を考える頃になってから焦らないよう、できるときからきちんと準備はしておきたいものです。
そんな忙しい50代、みんなはどのくらいお金を貯めているのでしょうか。50代に入ってから対策をはじめた、ある夫婦の経験も交えてお伝えします。
50代、みんなの貯金はどのくらい?
知識や経験も増え、まだまだ体力もある50代。子どもの教育費や住宅ローンなど、出費もかさむ世代です。そんな50代世帯は、どのくらい貯金をしているのでしょうか。
「夫が順調に出世し、貯蓄もそこそこ。娘が二人いるので、大学や結婚式の費用は出すつもり」(51歳専業主婦)
「うちはかなりきついですよ。夫が体を壊し、介護生活ですから。近所のドラッグストアでパートしてなんとかやっていますが、老後が心配で4年前に個人年金を契約しました」(56歳パート)
「子どもが4人いるので、教育費がかなりかかってしまいました。老後資金ですか?……なるようになれ、という状態です」(58歳事務職)
生活水準や貯蓄にはもちろん個人差があります。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より、50代の貯蓄と借入金残高の平均額を確認してみましょう。
【貯蓄】平均1,194万円(中央値600万円)
【借入金残高】平均1,210万円(中央値1,000万円)※借入金がある世帯のみ
50代で「借入金がある」と答えたのは53.8%と、半数を越えました。そしてその額は平均貯蓄額を上回る結果です。一般的に平均よりも中央値の方が現実的な数値になりますが、中央値で比べると借入金の方がはるかに高いことが分かります。また同データで50代の住宅ローン残高をみると、平均1,070万円(中央値950万円)であるそうです。借入の目的も「住宅の取得または増改築資金(67%)」が最も多く、次いで「耐久消費財の購入(26%)、」「子どもの教育・結婚資金(21.6%)」と続きます。やはり、マイホームや教育にお金がかかっていることがうかがえますね。