中でも日本の正答率が低かったのは「インフレ」「複利」「分散投資」という3項目に関する設問。特徴的なのは、「インフレ」については60歳以上の層では8割近くが正解していること。1980年代のバブルや金利が高かった時代を経験していない世代には、あまり馴染みのない言葉なのかもしれません。
お金のトラブルを避けるポイント1【特殊詐欺編】
最近大きく取り上げられることが少なくなりましたが、「オレオレ詐欺」に代表される特殊詐欺の被害額は相変わらず高止まりしています。
警察庁の発表によると、令和元年度の「オレオレ詐欺」を含む特殊詐欺の認知件数は16,851件。日本全国で1日に40件以上の被害が発生している計算です。また、被害額は約315億円に上っています。この数字は警察が認知している件数なので、実際に被害に遭っている人はもっと多いかもしれません。
特殊詐欺の被害に遭いにくい人の特徴
先ほどの「金融リテラシー調査」の正誤問題の結果からは、正答率と特殊詐欺や多重債務などの金融トラブル経験者に相関関係があることがわかったそうです。具体的には、金融リテラシーが低い人ほど金融トラブルに遭いやすいく、金融リテラシーが高い人ほど金融トラブルに遭いにくいということで、正答率が高い人には、次のような特徴がありました。
- 日頃から金融経済情報を頻繁にチェックしている
- しっかりと家計管理を行っている
- 長期的な資金計画を立てている
- 緊急時に備えて資金を確保している
- 金融商品を購入する際には、他の商品と比較したりしつつ、商品性を理解して購入する
特殊詐欺などに騙されたくはありませんが、これを全部実行するのもなかなか難しいことです。また、長期間にわたってゼロ金利が続いているので、高金利をアピールする商品にはついつい気を引かれてしまうこともあるでしょう。
しかし、ハイリターンにはハイリスクがつきもので、「絶対儲かる」商品はありません。昔から言われる「うまい話には裏がある」という戒めの通り、裏がないかどうかをしっかり見極めたうえで行動することが大切です。