先日、Go To トラベルのサイト上にあるQ&Aが更新され、「Go To トラベルの支援額である旅行代金の50%(宿泊代金の35%割引分と地域共通クーポンの15%分、上限1人1泊2万円)が一時所得として扱われる」という見解が示されました。この件の報道を見て、”え!課税対象になるの?”と驚かれた方もいるのではないでしょうか。

実際には、Go To関連を含む一時所得の合計額が年間で50万円を超えなければ課税対象にはなりません。しかし、意外と見落としがちなこともあります。その一つは、「じゃらん」や「楽天トラベル」など大手宿泊サイトで取得したクーポンが各自治体の県民割引だというケースもあり、これも一時所得となることです。

この「県民割引」とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ観光業界を復興させるために各自治体で実施する割引支援のことで、主に宿泊料金を割引する「クーポン」の発行が行われています。

そこで、Go To トラベルや県民割引に関する一時所得額の計算例や2人以上で旅行をした場合の扱いなどについて、税務署や国税局電話相談センターへ問い合わせてみました。以下、要点をお伝えします。

そもそも一時所得とは?

一時所得を簡単に言うと、働いて得たのではない臨時の収入※ということになります。

たとえば、懸賞や福引の賞品金、競馬や競輪などの払戻金、生命保険の一時金、法人から贈与された金品、遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等などが相当します。近年では、ふるさと納税の返礼品も一時所得に当たります。

※国税庁のウェブサイトには「一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます」と記載されています。

Go To トラベル支援や県民割引は「通常の商取引ではない」

もともと、「じゃらん」や「楽天トラベル」など、大手宿泊予約サイトでの利用金額に応じたポイント付与やクーポンを使用することで得た利益は、通常の商取引における値引きと同様の行為とみなされ、課税対象にはなりません。