株式市場の振り返り-週末のNY市場下落を受けて反落、16,500円台は維持

2016年9月12日(月)の東京株式市場は反落となりました。日経平均株価は前日比▲1.7%の下落、TOPIXも▲1.5%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲3.1%の大幅下落となりました。

日経平均株価は、先週末のNY市場の株価下落を受ける形で前日比▲217円安で寄り付き、下げ幅を拡大していきました。その後、前場の半ば頃から切り返して一時は▲163円安まで押し返します。しかし、再びマイナス幅が拡大し、後場の序盤には一時▲364円安となる場面がありました。結局、大引けは▲292円安の16,672円で終わっています。

東証1部で上昇したのは282銘柄、値下がり1,599銘柄、変わらず94銘柄でした。東証1部の出来高は16億1,784万株、売買代金は1兆7,981億円(概算)となっています。NY市場下落の後でしたが、様子見スタンスが強かったようです。

セクター動向と主要銘柄の動き-全業種が下落、多くの主力セクターは小幅下落

東証1部の33業種全てが下落しました。全体的に売られた中、下落率の小さかった業種には、ディフェンシブ業種が多く見られました。他方、下落率の大きい業種には、鉄鋼、非鉄金属、鉱業などの素材関連が目立っているのが特徴です。主力セクターは電機機器を除くと、意外にも小幅な下落に止まったと言えます。

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)、ファーストリティリング(9983)などの主力株が軒並み大幅下落し、TDK(6762)や村田製作所(6981)などの電子部品株も値を下げました。また、キヤノン(7751)やソニー(6758)も安く終わり、任天堂(7974)も大幅下落でした。一方、カルソニックカンセイ(7248)など自動車部品株の一角や、ケンコーマヨネーズ(2915)、日本マクドナルドホールディングス(2702)などが値を上げています。

東証マザーズ市場の動き-総合指数は大幅反落、そーせいグループは急落

東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後から安く推移し、一度もプラス圏に浮上することなく▲3%超安の大幅反落となりました。また、出来高は5,208万株となり前日より減少しましたが、逆に売買代金は前日を上回る957億円でした。一部の値嵩株の売買が増えた影響と推察されます。なお、騰落状況は、値上がりが51銘柄、値下がりが167銘柄、変わらず5銘柄でした。改めて、閑散相場を打破する物色テーマが欲しいところです。

個別銘柄では、前日急騰したそーせいグループ(4565)が急落し、▲7%超安く終わりました。また、ヘリオス(4593)やアキュセラ(4589)などの医療バイオ関連銘柄も大幅下落が目立っています。時価総額の大きい銘柄では、CYBERDYNE(7779)も大幅下落となりましたが、ミクシィ(2121)は小高く終わっています。その他では、エディア(3935)がストップ高となり、アクセルマーク(3624)も値を上げましたが、フリークアウト(6094)は冴えない動きに終始しました。

本日(9月13日)の注目点-NY下落の影響は反映され、粗い値動きに要注意

金曜日のNY市場下落を受けて東京市場も値を下げましたが、ニュースやネットで騒いでいるような「急落」や「暴落」でないことは明白です。市場が少し上下しただけで大袈裟に報道されるケースがありますが、冷静に見ることが何よりも重要です。13日(火)は目立った材料がない中、来週(20-21日)に開催される日米の金融政策会合を睨んで、粗い値動きが予想されます。為替相場の動きも含めて、取引時間中の激しい値動きに付いて行かないことが求められます。

この1週間、鉄鋼や非鉄金属などの鋼材・素材セクターに対する売り圧力が大きいようです。一方で、ディフェンシブ業種はコツコツと買い集められている印象があります。来週のイベントを控えて、こうしたやや偏りのある動きを示した業種は、反対の動きが出てくるケースが考えられます。特に、素材系セクターは短期的には注目してもいいかもしれません。

新興株式市場は、方向感が見られません。元々、大きな方向性をもつ市場ではありませんが、物色テーマがない現状では、大型株以上に粗い値動きになる可能性があります。強いて言えば、今週末の東京ゲームショーを控えて、ゲーム関連銘柄の下値を狙うのも一考に値しましょう。

青山 諭志