日本とオーストラリアは米国の軍事的同盟国であるが、バイデン政権では、副大統領にインド出身の母を持つカマラ・ハリス氏が就任する予定で、米印間でも安全保障上の発展が期待されている。

モディ首相はツイッター上でバイデン氏を祝福するだけでなく、「これはインド系米国人にとっても誇るべきことであり、あなたの支援とリーダーシップによって米印関係が発展することを願う」とハリス氏も祝福した。

人権問題では中国に「多国間圧力」か

一方、トランプ大統領と違い、バイデン氏は人権問題を重視している。よって、深刻化する新疆ウイグルやチベット、内モンゴルなどでの少数派弾圧の問題では、中国に対してトランプ政権以上に圧力をかける可能性がある。

トランプ政権は関税発動など貿易面で中国に圧力を掛けてきたが、バイデン氏の政権ではそのような貿易摩擦に拍車が掛かる可能性は低いものの、人権を武器に中国へ迫っていく可能性もある。

また、バイデン政権ではフランスやドイツ、英国など欧州主要国との関係は大幅に改善される。よって、米国が主要国と協力した多国間アプローチで中国に対応していく場合も想定され、中国はトランプ政権下では見られなかった多国間圧力というものに直面する可能性もあるだろう。

和田 大樹