中国政府は13日、米大統領選で勝利を宣言したジョー・バイデン氏に対して祝意を表明した。当選が確実となった直後から欧州や日本は同氏への祝意を表明したが、これまで中国は「バイデン氏の勝利は認識している」と述べるに留まっていた。

尖閣諸島に関する認識を示したバイデン氏

バイデン氏の当選が確実になってから、習近平政権もバイデン政権の対中姿勢を本腰で考え始めたと思うが、最近になってそれも徐々に鮮明になってきている。

たとえば、バイデン氏は菅首相と12日に電話会談を実施。日米同盟の重要性を確認し、インド太平洋地域の平和と安定に向けて今後いっそう日米同盟を強化していくことで一致した。

また、その際、バイデン氏は日米安全保障条約第5条が尖閣諸島の適用範囲だとの認識を示している。

中国は既に予想していたかも知れないが、中国からするとこの時点で軍事安全保障上米国と対立する環境が続くことになり、基本的なスタンスはトランプ政権と変わりないと考えていることは間違いない。

日米豪印“クアッド”にさらなる進展の可能性

バイデン氏は選挙戦前から中国へは厳しい姿勢で臨む意志を示しており、海洋覇権や香港国家安全維持法、台湾問題などでは多国間協力を重視しながら中国をけん制していくことになろう。

特に、“国際協調”や“多国間”を重視するバイデン氏の政権では、最近急速に進む日米豪印“クアッド”を基本としたインド太平洋地域での多国間協力を積極的に進める可能性がある。