さいごに

冒頭でお話ししたように、これらの支援制度を利用するには、基本的に自分側からアクションを起こすことが必要です。在職中の場合は、人事・労務から傷病手当金について連絡を受けるケースもあります。しかし、なかには、勤務先が、傷病手当金の制度のものを知らなかった、というケースもあるようです。

ご自身やご家族が「支援の対象かもしれない?」と思ったときは、ぜひ各サイトで詳細を調べてみましょう。

今回は、うつ病などの精神疾患にかかったときに知っておくと心強い、公的な支援制度をご紹介していきました。

こうした制度の活用とともに、専業主婦(主夫)のパートナーが就労によって収入を得るというような、世帯収入を増やしていく方法を検討していかれると、より心強いのではないかと思います。

さらに、「お金」に関わる支援とは別に、本人自身が安定して就労を続けるためのサポートについても目を向けておくとよいでしょう。

勤務先に籍をおいたまま休職した場合は、「リワーク(復職)」によって、職場復帰に向けて体と心を慣らしていくのもおすすめです。

また、いったん退職したのち、再就職を目指すことになった場合は、「就労支援」の制度を上手に活用していくことなどを視野に入れながら、すこしでもゆったりした気持ちで治療を続け、回復に繋げていかれるとよいでしょう。

【資料】
病気やケガで会社を休んだとき」全国健康保険組合(協会けんぽ)
自立支援医療(精神通院医療)の概要」厚生労働省
障害年金」日本年金機構

池上 翠