仕事のプレッシャーや家庭での責任はもとより、コロナ禍での不安なども相まって、はたらく世代は常にストレス源と戦っています。「コロナ鬱」といった言葉もしばしばメディアで取り上げられていますね。
4人に1人がかかるとも言われるうつ病。回復には、医師の治療を受け、休養をしっかりとることがたいせつ。
そんなときに、
「治療が長引いて仕事を続けられなくなったら」
「休職、退職で収入が激減したら・・・」
といった心配ごとが頭から離れず、心も体も休まらない、という事態は避けたいもの。使える支援制度はしっかり活用しましょう。
今回は、サラリーマンがうつ病などのメンタル疾患にかかった場合の、「お金」の面での支援制度にフォーカスを当ててご紹介していきます。また、これらの制度は、勤務先の人事・労務担当や医療機関から指示や案内が来るとは限りません。
特に「一家の大黒柱が鬱になってしまった」、というような場合は、ぜひご家族が率先して情報集めをされることをおススメします。
①仕事ができず、お給料が出ない!「傷病手当金」
傷病手当金は、「病気やケガで働けない状態」になったとき、健康保険から支給されるお金です。
対象
- 健康保険(勤務先の健康保険組合、協会けんぽなど)の加入者
- 公務員などの、共済組合の加入者
もらえる要件は?
・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 「医師の意見」などが書かれた申請書の提出が必要
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと(最初の3日間は「待機期間※」となり、傷病手当金が支給されるのは4日目からです。「待機期間」には土日祝日などの公休日も含まれます)
- 休業した期間について給与の支払いがないこと(給与の支払いがあっても、その額が傷病手当金より少ない場合には、その差額が支給されます)
支給額は?
1日あたりの支給額は、「日額報酬(*)の3分の2」。個人の報酬額をもとに、以下のように算出されます。
*日額報酬の計算方法
(支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30日(注)通勤手当などの報酬を得ているときや、同一疾病で障害厚生年金・障害手当金を受給している場合は、支給額が調整されます。
支給期間は?
- 支給開始日から最長で1年6カ月間(※途中に出勤日をはさんだ場合も、支給開始日から1年6カ月で支給終了となる)
もし退職したら?
- 退職日までの健康保険加入期間が1年以上ある、かつ3日間の待機期間の経過後、すでに傷病手当金が支給されているか、支給を受けることができる状態であれば、退職後も継続して支給される(※退職後に公的年金を受給している場合、年金額に応じて傷病手当金受給額が調整されます)
【参考】「病気やケガで会社を休んだとき」全国健康保険組合(協会けんぽ)